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コチョウランは、ここ数年、個人向けのギフトとしても一般的になりました。特に年末のギフトなどで花つき株を手にした場合ですが、いくつかの点に気をつけることで、より長く花を楽しむことができます。

置き場

まず、花つき株は、室内の極端に温度の下がらない場所で管理します。花にとって快適な温度は、昼間は25℃前後、夜間は15℃前後です。冬の時期は、昼間の温度にはあまり気をつかう必要はありませんが、夜間の最低温度が10℃以下になるような場所に置く場合は注意が必要です。特別な栽培用器具はなくても、電気ポットの近くやホットカーペットを使用するなど、身近なものでかなりの保温効果が期待できます。
同じ室内でも窓際は温度が下がるので、夜間は室内の中心部に移動させて、寒さに当てないようにします。
また、花もちをよくするためには、適度の日光が不可欠です。そこで、日中は長時間日光が当たる場所に置くようにします。とはいえ、いくら冬季は日が弱いといっても、冬至の前後の一時期を除いて直射日光では強すぎます。レースのカーテン越し程度の強さの光線が適当でしょう。
 
冬の置き場は、適度に日光の当たる窓辺がよいが、直射日光では強すぎる。レースのカーテン越し程度の強さの光が適当

水やり

寒い季節は鉢の中にたまった水によって根が傷むので、水やりは植え込み材料がしっかり乾いてから行うようにしましょう。目安としては、植え込み材料の表面に触れると乾いているけど、指を差し込むと食パン程度の湿度を感じるくらいまで乾いたら水やりを行うようにします。
ギフトの場合、きれいなラッピングが施された鉢をいただくことも多いと思いますが、最初の水やりを行うときにはラッピングは外したほうがよいでしょう。

肥料

通常、一般家庭で花が咲く時期は冬なので、花が咲いている間は肥料を施す必要はありません。気温が低くて新葉の展開が止まる時期は肥料の必要はないのです。

冬の時期はストーブなど、熱源に火気を使用する暖房機の近くに置くと、短期間のうちに花がしおれて落ちてしまうことがあります。これは石油が燃焼する際に発生するガスのせいだといわれています。この類の暖房機のある部屋に花を置く場合は、こまめに換気を行ってください。
最近は、少しでも長く花を楽しんでもらいたいために、咲き具合の硬い(蕾の多い)寄せ植えを贈る方がふえています。冬の乾燥する時期に、このように蕾の多い花をいただいた場合、乾燥しすぎのため蕾が咲ききれずに落ちてしまうことがあります。これを防ぐには、1日に2~3回、霧吹きで水分を与えます。また、一般家庭の室内に置く場合、空気が乾燥する時期は、花にも水分を与えたほうが、花もちも多少よくなるようです。

花が咲いたあと、ステム(花茎)を2~3節ほど残して切ると、株の状態と栽培環境がよければ、残した節から花芽がも伸びてきます。二番花を咲かせると株が弱るといった話を聞きますが、通常ならば問題ありません。
しかし、病気などで弱った株も、症状が進んでくると成長を止め花芽を分化させることがあります。状態のよくない株は、葉がしおれている、つやがない、といった症状が出ています。こういう株の場合は花芽を摘んで適切な処置を施します。
花芽が分化しても、まれに途中から葉になってしまうことがありますが、これは温度が高すぎて、途中から栄養成長に切り替わってしまったためです。日中の温度が25℃程度までなら大丈夫です。

花茎を切り戻して二番花を咲かせる

基部の花がしおれてきたら、切り戻して二番花を咲かせるとよい   まず、花茎と支柱を結んでいるテープを外し、そっと支柱を抜き取る   株元から2~3節を残し、その節の1cmほど上の位置で花茎を切り戻す   切り戻した状態   3か月ほどで、また花芽が上がり、4~6か月で二番花が咲きだす

花も終わりに近づくと、ステム(花茎)の基部近くの花からしおれてきます。このころになったらステムを切り、新しい鉢に植え替えて、春からの成長に備えます。 植え替えは、夜間肌寒さを感じなくなる3月下旬から4月中旬ごろが好適な時期です。

寄せ植え株は1株ずつに分けて植え替える

通常、化粧鉢に植えてあるコチョウランは2~5株を寄せ植えにしたものなので、1株ずつに分けて植え直す必要があります。新しい素焼き鉢を株の数だけ用意します。大輪系なら、4.5号の鉢を用意すれば大丈夫でしょう。
まず、化粧鉢から株を取り出し、傷んだ根を切除します。ほぼすべての根が傷んでいるか、水ゴケ自体が傷んでいる場合を除き、元の水ゴケを取り除く必要はありません。作業は、下のプロセス写真を参照してください。
植え替え後は、日のよく当たる場所に置き、10日~14日ほどは水やりを控えます。根が張ってくると水の吸い上げがよくなるので、与える水の量はふえてきます。しかしこの場合も、水を与えたあとはしっかりと鉢の中を乾かすようにします。その理由は、軽い水分飢餓の状態にして発根を促すこと、常に鉢の中が湿っていると、病原菌が繁殖し、根腐れを起こす危険があるからです。
新しい根が張り出すまで、肥料を施す必要はありません。植え替えて1~2か月すると新しい根が張り出てきます。それから肥料を施しますが、発根初期に濃い肥料を施すと根の成長が止まってしまうので、はじめは5000~1万倍の薄い液体肥料を施します。

植え替え(適期=3月下旬~4月中旬)

花が終わり、寄せ植えの株を抜いたところ。元は3.8~4号鉢に植えてあったものなので、4.5号の素焼きを用意   元の水ゴケが傷んでいなければ、取り除く必要はない。周囲に、適度に湿らせておいた新しい水ゴケを巻きつける   両手の親指と人差し指を使い、株を鉢に納める   詰め方が柔らかいと、水ゴケが過湿になり、根傷みの原因となるので、少しきつく感じるくらいの硬さに植え込む   上部にこの程度のウォータースペースができるようにする。また、鉢底まではきつく押し込まない方がよい   植え替え作業を終えたところ。この後は日当たりのよい場所に置いて、水は10~15日ほどは与えない

置き場

5月以降は戸外にも出せます。日光によく当てたほうがよいのですが、葉の色が薄くなるようだと光線が強すぎます。柔らかい光線が長時間当たる場所が最適です。ただし、雨がよけられ、風通しがよいことが条件です。10月中旬に入り、最低気温が15℃を下回るようになったら室内に取り込みます。

水やり

5月以降、気温が高くなると吸水量が多くなるので、9月中旬までは水ゴケが乾いたら十分に水を与えます。その後は水ゴケの乾きも遅くなるので、表面がよく乾くのを待って与えます。

肥料

1か月に1回、1000~2000倍の液体肥料を施すか、水やりの代わりに5000~8000倍の薄い液体肥料を施します。
一般家庭では、一度に使用する液料が少ないので、これほど薄い肥料液をつくるのは大変です。こうしたときは、100倍に薄めた一次希釈肥料液をつくっておき、使用するときに目標の倍率まで二次希釈して使用します。
10月中旬を過ぎたら、加温設備がないかぎり、肥料は施しません。

病害虫の防除

過湿の環境でないかぎり、あまり病気にかかることはありません。注意したいのは、屋外で管理しているときのナメクジ類やキリギリスなどの食害です。昆虫類は一過性ですが、ナメクジ類は鉢内に潜み長期にわたり食害を与え続けます。ナメクジ類は、市販の誘引捕殺剤を使用すれば簡単に駆除できます。株を直接地面に置かないように気をつけるだけで、被害をかなり防げます。


(関東地方以西基準)

■北海道地方 窓辺に置き、レースのカーテンで遮光。植え込み材料の表面が乾いたら水を与える。夜間に暖房を止める場合は段ボール箱などに入れて保温。植え替えは花後。

■東北(日本海側)・北陸地方 低温と過湿が重なるのが最も多い枯らす原因。暖房の風が直接当たらない暖かいところに置き、植え込み材料が乾いたら軽く湿る程度に水やり。

■東北(太平洋側)地方 開花株は最低12℃以上保ちたいので、夜間は発砲スチロール箱などに入れて保護する。花後は花茎を早めに切り取り、乾かしぎみに管理する。